「あ、大宙くん」
「うおっ!如月朔乃!」
あたしに気づいた大宙くんは、目を丸くして驚いたあと、軽く「よぉ」と挨拶してきた。
あたしも片手を挙げてそれに答えると、大宙くんはあたしの担任の先生のところに向かい、何やら幾つかの質問を投げかける。
「……で、企業見学の時に、これとこういうことを質問しようかと思っているんですけど、変じゃないですか?」
「うん。大丈夫じゃないかしら。あまり的外れなことを尋ねるのはよくないけど、自分はこの会社に興味があるんだっていう姿勢を見せることが大事だから……」
何を言っているのかよくわからないけど、大宙くんって、意外ときちんと進路のこと考えていたんだ。
なんとなく、あたしと同じタイプかと思っていたのに。同じ匂いを感じていたのになぁ。