陽は、キョトンとした顔をして、心底不思議そうに首を傾げる。
それから、さも当然だ、とでも言うように。
「もちろん、最初から最後まで朔乃先生ですよ」
あまりにさらりと言ってのけるから、自分で聞いたのに驚いてしまう。
聞き間違いじゃなくてよかった、とか。
たぶんチームメイトだから応援してくれてただけなんだろう、だとか。
別に特別な意味はないけど、少しは天川さんに勝てる部分があったのかも、とか。
いろいろと、嬉しいこととか悲しいこととか思うことはある。
でも、今日くらい自分に都合の良いほうで考えちゃってもいいよね?
理由がどれにしろ、陽があたしを応援してくれたということに変わりはないんだから。
「今日の朔乃先生、ほんとにかっこよかったですよ!」
「何言ってんの。全校生徒の前で転んで大恥かいたんだから!」