女子のリレーで良い流れができていたのか、続く最後の競技も見事1位を獲得。
これまでの好成績のおかげもあって、あたし達3年2組は体育祭総合優勝となった。
「やったね、朔乃!大活躍だったね!」
日焼け止めがあまり効かなかったのか、少し肌の焼けた星奈が満面の笑顔で言う。
「そんなことないよ。みんなが頑張ったから」
謙遜しつつも、そんなふうに褒められて悪い気はしなかった。
「ふふ、朔乃嬉しそう。じゃあ、そろそろ帰ろっか」
「あ……ちょっと」
体育着から制服に着替え終わり、星奈がバッグを肩にかける。
あたしは、まだ着替えが終わっていないというのもあるけど、ある人物に用があったからまだ
帰るつもりはなかった。
あたりを見回すあたしに、星奈が困ったように笑って言った。
「有明くんなら、美化委員の仕事でグラウンドのゴミ拾いしてるよ」