――べしゃ!
「いてっ!」
半ば倒れ込むようにゴールしたあたし。
スピードは緩まることなく、そのままの勢いで地面に顔からダイブしてしまった。
そんなあたしに、みんなが呆然としているのがわかる。
最悪だ……!全校生徒の前で盛大に転ぶなんて!
恥ずかしくて起き上がることができない。
穴があったら入りたいとは、まさしくこのことだろう。
これでもし1位になれていなかったら、体を張った意味もない。
あー、もう。あたしはやっぱり、天川さんみたいにはなれないんだ。
そう思った時、応援席から大きなワーッと歓声があがった。
「え、な、何?」
顔だけあげてきょろきょろと周りを見回す。
どのクラスの人達も、笑顔であたしのほうを見ていた。
はてなマークを頭に浮かべるあたしに答えるかのように、放送部の元気な声がグラウンド中に響き渡った。