「も、もしかして、如月朔乃?」
突然、その不審な男子に話しかけられた。
「……そうだけど、誰ですか?」
あたしのことは有名だから知っているんだろうけど、あたしからしたら初対面なのに、いきなり呼び捨てとはどういう了見だ。
「俺は、7組の大宙レオ(おおひろ れお)」
「どうも……?」
そんなことを思っていたら自己紹介してくれた。
大宙くんは、なんというか、スポーツマンタイプっていうか、チャラチャラした雰囲気は一切ないけど整った顔立ちの人だった。
短めな髪が爽やかで、もさっとした陽とは大違い。
「で、大宙くんは、あたしに何か用ですか?」
さっき、如月朔乃かと声をかけられたので、教室を覗いてたのはあたしに用があったからなのかなと思った。
何だろう、告白という感じではなさそうだから、とりあえずホッとする。
でも、大宙くんの口から出た言葉は思いもしていなかった言葉だった。
「あんたでしょ?有明陽の恋を応援してる奴ってのは」