あたしはご飯を買いに外に出るのが面倒だったので、冷蔵庫の中にある物で適当に作ることにした。
簡単に作って、テレビのニュース番組をぼんやりと眺めながら食べる。
家族と共にしない食事ほど味気ないものはない。
きっと、他の家庭は、休日家族で出かけたりするんだろうな。
父親と別れるまでは、うちもそんな普通の幸せな家族だった。
きっと、結婚するほど相手のことを好きになったとしても、その気持ちは日に日に薄れて冷めていく。
愛だの恋だの、たぶんきっと所詮そんなもの。
だから、今のあたしの陽への気持ちだって、そのうち冷めていくはず。
だから、このまま、これでいい。
この前のデートで、陽が好きだと再確認して、そればかりかもっと好きになってしまったのは認める。
今、天川さんと一緒にいるであろう陽の姿を想像して、モヤモヤとしているのも事実。
でも、そんな気持ちはいつか消えるはずだから。
そんなことを考えていると、しとしとと雨が降り出してきた。