そして、迎えた土曜日。


あいにく晴れることはなく、曇り空が広がっている。


「大丈夫かな?陽……」


幸い、天気予報で雨が降るようなことは言っていなかった。


デートは映画館の予定だし、あの陽のことだから折りたたみ傘ぐらい持っているだろうから、もし降り出しても大丈夫だろうけど……。


部屋の窓からどんよりとした空を見上げて、あたしは陽が1日うまくいくことを素直に願った。


複雑な気持ちがあるのは事実だけど、それでもやっぱり、陽が笑って楽しそうにしているのを思い浮かべるだけで、あたしも嬉しいから。


パジャマから着替えてリビングに降りると、テーブルの上にはまたお金が置いてあった。


最後に母親に会ったのはいつだっけ。


あたしも最近学校から帰るのが遅いから、もしかしたらすれ違いになっているのかもしれない。


まあ、別に帰ってこようが来なかろうが、あたしはどうでもいいんだけど。