ああ、そっか。


高校生活最後の、いや、人によっては学生生活最後の体育祭になるかもしれないから、みんなこんなにやる気に満ち溢れているんだ。


「僕だって、このクラスが優勝してほしいですから、できる限り協力したいです」


「うん……そっか」


盛り上がるクラスメイトたちの様子を、目を細めて楽しそうに眺める陽。


そんな陽を見ていたら、あんまり熱くなりすぎるのは好きじゃないけど、最後くらいは頑張っちゃってもいいかな……なんて。


「じゃあ、次ー。女子の400メートルリレーのメンバーなんだけど……」


「はーい」


体育委員の言葉を遮って、あたしは手を挙げる。


突然挙手したあたしを、隣の陽をはじめクラスのみんなが不思議そうに見てくる。



「はい。あたし、リレーのアンカーやります」



あたしは、手を挙げたまま堂々とそう言った。


直後、教室を包み込んだのは沈黙という名の静寂。


「え……ええぇぇっ!?」


体育の授業もあまり真面目にやらないあたしが、思いもよらぬ言葉を口にしたからみんな驚くのは当然のことだと思う。