あたしのド直球な感想に、あからさまに肩を落とす陽。
相当なダメージをくらっているみたいだけど、あたしは落ち込む暇さえ与えない。
「ほら!さっさと行くよ!映画はあとにして、まずデート用の服を揃えるわよ!」
「えっ……」
ショッピングモールがある場所へと目指すべく、あたしは陽を促して改札を通る。
あたしが通ったあと、バンッと改札が閉じてしまい、陽だけがもたもたと改札に閉じ込められる。
「早く行くよ!時間ないんだから!」
「す、すみませんっ!」
もう一度ちゃんと改札にパスモを通して、陽がやっと出てきた。
「すみません、とろくて……」
「今はいいけど、天川さんの前ではもっとしっかりしなよ」
「はい……」
先程からあたしの厳しい言葉を受け続けているせいか、陽はしゅんとしたまま。
もうー!しょうがないなぁ!
「でも、あたしは陽のそういうとこ嫌いじゃないから!ダサいのもとろいのも陽らしいし」
甘やかすのは“先生”としては良くないけど、“恋する女の子”としては好きな人が落ち込んでいるのを放っておくことはできなかった。