そのあとも先生は、顧問をしているサッカー部の男の子や、マネージャーの女の子、教科担をしているクラスの子など、いろいろな生徒たちに声をかけられました。




それら全てに、明るく気さくな笑顔で応えています。





私は声をかけるタイミングを失ったまま、3メートルほど後を、静かについて歩きました。






教室が並ぶ廊下を過ぎ、職員室のある本館へとつながる渡り廊下にさしかかったところで、先生はやっと生徒の集団から解放されました。





私はやっとのことで、「先生」と声をかけます。




ですが、私は大きな声を出すのが苦手なので、向こうから響いてくる休み時間の喧噪に、すっかりかき消されてしまいました。