先生はしばらくの間、どこか困ったように眉を下げた笑顔で私を見下ろしていましたが、





「あの席、いいか?」





と私に確かめて、席に着きました。




私は急いでグラスにお水を注ぎ、先生のところに持っていきます。





なぜだかとても緊張して、テーブルに置くとき、手が小さく震えてしまいました。




なんとか零さずに置くことができましたが、先生が気づいていたらどうしよう、と思うと、息苦しいような気持ちになりました。





先生はチキンカレーを頼み、ゆっくりと味わうように食べて、食後のホットコーヒーをおいしそうに飲み、「じゃあ」と帰って行きました。






先生が出て行ったあと、私はほっと息を吐き出しました。