お客さんが途切れた隙間の時間にコーヒーカップを拭いていると、カランコロン、とドアの鐘が鳴りました。






「いらっしゃいませ」






精一杯大きな声で言うのですが、いつも店長の西村さんに、「もうちょっと大きめに言えないかな?」とさり気なく注意されてしまいます。





今日もうまく声が出せませんでしたが、頑張って、お腹から声が出せるように練習しようと思っています。






お冷とおしぼりをお客さんのテーブルに運んで、注文を取って伝票に書きつけ、厨房の吉岡さんに伝えました。






吉岡さんが手早く作ったエビピラフとホットコーヒーを持って行くと、お客さんが「ありがとう」と笑ってくれたので、心がぽっと温かくなりました。