―――と、こうしている間も、俺と春川の間に流れる何とも言えない沈黙が、俺は気まずくて仕方がなかった。



春川はもともと無口だし、ここは教師として、俺が会話を先導すべきだと思うが………。





一体、どんな話を振ればいいんだ?






俺は必死に考えて、この間の体育祭の朝のことを思い出し、なんとか話題を絞り出すことに成功する。







「………春川って、本が好きなのか?」







俺が唐突に口を開いたことに驚いたのか、春川はぱっと顔を上げ、大きく目を見開いて俺を見上げた。







「………あ。はい……」