不可抗力で、俺は春川と並んで歩くことになった。





ひどく細くて小柄な春川は、もちろん歩幅も狭く、俺は歩調を合わせるのが大変だった。






春川はやっぱり、一言も発することなく、少し俯き加減で歩いている。




何を考えているんだか、まったく分からない。






ちらりと視線を落とすと、つやつやの黒髪に包まれた小さな頭が目を引いた。






―――どこもかしこも小さくて、なんだか、小学生みたいだ。






それにしても、生徒と無言で二人きりでいるほど、居心地の悪いものはない。






明るくて元気な生徒なら、別に問題ない。





ちょっときつい言葉を投げたり、小言を言ったりと、ぞんざいに扱うことができる生徒なら。




適当にダメ出しをしていれば時間が過ぎるから、話題探しや気まずい思いをすることなんてないのだ。