更衣室で体操服に着替えて教室棟に行きました。




まだ、生徒の姿はほとんどありません。





私のクラスの教室にも、まだ誰も来ていませんでした。





ひんやりと静まり返った教室で、自分の席に座り、私は読みかけの本を取り出しました。





しばらく夢中になって読んでいると、廊下の方から、ぱた、ぱたという足音が聞こえて来ました。





生徒用のスリッパとは少し違う音だったので、誰か先生が来たのだろう、と思いました。






足音が近づいて来たところで、私は顔を上げ、廊下側の窓を見ました。







現れたのは、藤森先生でした。