「拓人さん」
見上げて呼びかけると、先生―――拓人さんはまた顔を赤らめ、
「どうした? 彩香」
と言いました。
その、くすぐったそうな、優しい瞳の色。
たとえお母さんに反対されても、私はもう、拓人さんと離れることはできません。
それに、この人の優しさや真面目さをたくさん知ってもらえれば、きっと認めてくれる日がくるでしょう。
まだ少し冷たい春の夜風に吹かれながら、私と拓人さんは、手をつないで歩き出しました。
拓人さんの手はとても大きくて、すっぽりと包まれた私の手は、じわりと温かくなりました。
春の優しい夜風が、頬を撫でていきました。
―――これで、私の『藤森先生観察日記』は終わりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
見上げて呼びかけると、先生―――拓人さんはまた顔を赤らめ、
「どうした? 彩香」
と言いました。
その、くすぐったそうな、優しい瞳の色。
たとえお母さんに反対されても、私はもう、拓人さんと離れることはできません。
それに、この人の優しさや真面目さをたくさん知ってもらえれば、きっと認めてくれる日がくるでしょう。
まだ少し冷たい春の夜風に吹かれながら、私と拓人さんは、手をつないで歩き出しました。
拓人さんの手はとても大きくて、すっぽりと包まれた私の手は、じわりと温かくなりました。
春の優しい夜風が、頬を撫でていきました。
―――これで、私の『藤森先生観察日記』は終わりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。