「いや、こんな夜中に、失礼なのは分かってるんだけど。


でも、一刻も早く親御さんに言っておかないと、落ち着かなくて………」






先生は眉を下げて顎のあたりを撫でています。






「だって親からしたら、自分の知らないところで娘と先生が付き合ってるなんて、絶対に嫌だろう?


だから、隠れて付き合うようなことはしたくないし、4月1日になった瞬間に挨拶に行こうって決めてたんだ」






先生は本当に真面目で、だからきちんとけじめをつけたいんだな、と思いました。






「本当に迷惑だとは思うけど、お邪魔させてくれ」






真剣な声音で言う先生の言葉に、私はにっこりと頷きました。






「はい……行きましょう」






お母さんは、きっととても驚くでしょう。




もしかしたら、反対されてしまうかもしれません。





でも―――