「せ、先生………」





「もう、先生じゃない」





「え、と、じゃあ………」






悩んだ末、私は小さく、






「………藤森さん?」






と言いました。




すると先生が、ぷっと噴き出して、






「お前、それ、いつか自分が藤森になったらどうするんだ」






と言ったので、私はどきどきしました。




もしかして、それは………





先生が私の背中をぎゅっと抱きしめ、甘えるように頬を寄せてきました。






「―――下の名前で、呼んでくれ」