―――今日は、3月31日。




私の高校生最後の一日です。





先生の仕事が終わる時間に公園で待ち合わせて、私たちは今から、夜桜を見に行く約束をしていました。





お母さんには、






『友だちと夜桜を見に行くの。


帰りは12時過ぎちゃうかもしれないけど、起きて待っててくれる?』






と言って出て来ました。




お母さんは怪訝そうな顔をしてから、






『起きて待ってたほうがいいの?


それならそうするけど………。


気をつけて行ってらっしゃいね』






と首を傾げていました。






これは、先生に言われたとおりの言葉です。




私にも、なぜ先生がこんなことを私に言わせたのか、分かっていません。




先生は、『それは後からのお楽しみ』と笑っていました。