すこし困ったような、でも嬉しそうな顔で、先生が呟きました。







「春川―――抱きしめても、いいか」







「えっ」と言ったときにはもう、私の身体は、先生の大きな身体にすっぽりと包み込まれていました。







「せ、せんせ………」






「春川、今までごめんな」







耳許で先生が囁くと、私の髪がふわりと揺れました。




どきどきして、本当に心臓が口から飛び出してしまいそうです。




顔が熱くて熱くてたまりません。






「先生………?」





「自分勝手に近づいたり、離れたり、………振り回してごめん」







私はふるふると首を振ろうとしました。




ですが、ふいに、私を抱く先生の腕に力がこもって、私は身動きがとれなくなりました。