その顔を見ると、胸が締めつけられるように苦しくなりました。




他の生徒には見せない、私と二人のときだけに見せてくれる、先生のこの優しい微笑みが、私は大好きなのです。





でも、もう見られないのだと思うと、苦しくて苦しくて………






「―――最後に、先生のお話を聞けて、よかったです。


………じゃあ………」






これ以上先生と話していると、つらくなるばかりでしょう。




私は荷物を持って、立ちあがろうとしました。





そのとき。






「――――最後?」






低く呟く先生の声に、私ははっとして振り向きました。




先生がゆっくりと顔を上げます。





静かに、視線が絡み合いました。