「………春川。


今日、ここに呼び出してくれて、ありがとな」






先生がふいに真剣な顔になったので、私はどきりとしました。






「本当は―――俺のほうから声かけないといけなかったのに。


俺、………恐くて、勇気が出なくて、できなかったんだ。


お前は本当に偉いよ………」






私を見つめる先生の瞳は、やわらかくて、優しくて。




それだけで私は、満たされた気持ちになりました。






「………最後に、どうしても、もう一度先生とゆっくり話したかったんです。


今まで、本当に、お世話になりました」






先生の目が揺らぎました。




私はまだ言いたいことが溢れていて、言葉を続けます。