「あ……ありがとうございます」






また、泣きそうになってしまいました。




袖で目許を拭っていると、西村さんが「泣き虫だなあ」と笑いました。






「そこ、座って食べて。


もう片付け終わったでしょ?」





「はい………いただきます」






西村さんが手渡してくれた銀色のフォークで口に含むと、やさしい甘さが口の中に広がりました。






「おいしい………」





「そう? よかった」






西村さんは洗い物をしながら、嬉しそうに言いました。