式は粛々と進み、時間どおりに終わった。




生徒会が作った紙花のアーチを在校生たちが両側で支え、その下を卒業生たちが通り抜けていく。




きりりとした緊張感のあった入場の時とは異なり、


部活の先輩後輩どうしでじゃれ合ったり、

世話になった先生に抱きついたりと、


退場は賑やかな雰囲気に包まれていた。





俺も、顔見知りの生徒たちと短い言葉を交わしたり、


特に面倒をかけられた問題児の頭を軽く殴ってやったり、


顧問をしていた部活の生徒の肩を叩いて励ましたりと、忙しかった。





春川は向こう側を通っていったので、一瞬目が合っただけで、やはり言葉は交わさなかった。





そうして、最後の一人が、体育館から出て行った。



拍手の音がフェードアウトしていく。






―――終わった。




やっと、終わった。




ざわざわと席を立つ参列者たちの真ん中に立ちすくみ、俺はそう思った。