先生は泣き笑いのような、つらそうな表情になりました。





それが見ていられず、私はゆっくりと口を開きました。






「ーーー先生」





「うん………?」





「不謹慎かも、知れないですけど」






なんの話だ、というように、先生が私に目を向けます。





私はどきどきしながら、言葉を続けました。







「………先生が、実家を出て来たからこそ、そのおかげで、私は先生に出会えたから………。


だから、そのことを、不謹慎なのは分かっているんですけど………、とても嬉しく思います」






こんなことを言っても、先生の慰めにはならない。




充分に分かっていましたが、でも、言わずにはいられませんでした。