「いえ、あの……大丈夫、です」





「大丈夫って顔してないぞ。何かあるなら言ってくれ」






俺が少し強めの口調で言うと、春川は戸惑ったように視線をさまよわせてから、






「………すみません。

今日、バイトがあるので、放課後すぐに出ないとーーー」






春川は本当に申し訳なさそうに呟いた。






「先生お忙しいのに、わがまま言ってすみません」






恐縮した様子の春川に微笑みかけて、俺は首を横に振る。






「いや、謝らなくていいよ。

俺のほうがチェック表つくるの忘れてたんだから。

じゃあ、課題の提出は明日に延期って、みんなに伝えといてくれ」





「あ、はい………すみません、ありがとうございます」