本当に、こいつは………なんて大人なんだろう。




気まずさのあまり春川を避けてしまっていた自分の子どもっぽさが、ほとほと嫌になる。






「あぁ、そうだったな。

今日提出にしてたか………」





「はい。チェック表、いただいてもいいですか」






春川の言葉に俺ははっとする。






「あ、すまん。今日の分、まだ作ってないんだよ。

渡すの放課後でいいか?」






片手を上げて謝罪の仕草をしながら言うと、






「あ、はい……」






と答えた春川の表情が微妙に変化した。




俺はなんとなく、春川が困っているような気がした。






「………放課後だと何かまずいか?」