4組の教室に入ると、生徒たちがざわざわと席につきはじめた。




チャイムが鳴るまでにはまだ1分ほどあるが、教科書やノートを出したりと準備している。




俺は教卓に学習記録簿を置き、4組のページを開いた。




欠席者がいないかどうかを確かめようとして、教室をぐるりと見渡す。





ーーーなるべく、春川の席を見ないように………




とは思うものの、それは無理な話だ。





ちらりと視界の端にうつった春川は、いつものようにきちんと背筋を伸ばして椅子に浅く腰かけ、膝の上に手を揃えて置いた姿勢でこちらをじっと見ていた。





俺は目が合わないようにさっと視線を逸らし、指導簿に日付を書き込んだ。