話の矛先が自分に向いたので、俺は教員として言うべきことを言う。






「お前らなぁ。

ちゃんと点呼とりながら動けって指導しただろ。


はぐれたメンバーに何かあったらどうすんだ。

今回はたまたま俺が見つけたからよかったけどな。


次の自由行動で同じようなことがあったら許さんぞ」






怒ったような口調で言ってやると、班長の久保田が「すんませんでした!」と殊勝な態度で頷いた。




男子バスケ部のキャプテンをしていて、責任感の強いやつなので、今後は気をつけてくれるだろう。



俺は励ますように久保田の肩を軽く叩き、「たのんだぞ」と告げ、その場を離れた。