「おう、また代理か」





「はい」





「そっか、よろしくな」





「はい」






4組の修学旅行委員は少しずぼらで怠け者なところがある吉野で、休みが多かった。




それで、委員を集めると、半々くらいの割合で春川が代理としてやってくるのだ。




4組担任の倉田先生も、最近は春川のほうを信頼して、旅行関係の仕事を任せているようだ。






「春川、弁当もってきたか」





「あ、はい」





「先食べとけ。まだみんな集まらないだろうから」





「はい」






春川は俺の言葉に従い、弁当が入っているらしい桜の花模様の布包みをほどきはじめた。