それから春川は、ふと思いついたように、ある本のタイトルと作家の名前を呟いた。
聞いたことのない作家である。
と言っても、俺が知ってる作家なんて、10人にも満たないんだけど。
俺がぽかんとしていると、春川はその本の説明をしてくれた。
「中編小説だし、短い文で簡潔に書いてあって。
それに、主人公が高校生で、部活とか家族とか友人関係とか、身近な話題ばかりなんです。
なので、みんな感情移入しやすいんじゃないかな、って思います」
本のことになると、春川はいつになく饒舌になる。
そのさまがなんだか可愛らしくて、俺は微笑ましい気持ちになりながら、
「ありがとう、読んでみる」
と伝えた。
聞いたことのない作家である。
と言っても、俺が知ってる作家なんて、10人にも満たないんだけど。
俺がぽかんとしていると、春川はその本の説明をしてくれた。
「中編小説だし、短い文で簡潔に書いてあって。
それに、主人公が高校生で、部活とか家族とか友人関係とか、身近な話題ばかりなんです。
なので、みんな感情移入しやすいんじゃないかな、って思います」
本のことになると、春川はいつになく饒舌になる。
そのさまがなんだか可愛らしくて、俺は微笑ましい気持ちになりながら、
「ありがとう、読んでみる」
と伝えた。