廊下を確認し、怪しい人影……特に、操られているかもしれない武司に注意して、私は遥達がいる部屋へと戻った。


人を疑ってばかりの嘘つきの遥と、人をバカにしてるけどひとりで頑張っている中島君。


皆で協力するなんてのは、無理なのかなと思いながら。


「終わったなら、隣の準備室を調べてちょうだい。ここはもう終わるから」


部屋に入ってすぐに追い出された私は、遥の言う通りに隣の準備室に向かった。


カラダがあったかどうかも聞かないなんて。


まあ、あったとしたら私から言ってるから、その反応は当然か。


工業棟の準備室。


生産棟からの廊下の突き当たりにある、その部屋のドアを開けると、中には携帯電話で棚を照らす小川君がすでにいて、私の姿を見て驚いていた。


「男子トイレ、もう終わってたんだ? 意外と仕事が早いんだね」


「ご、ごめん……一応しっかり見たつもりなんだけど……もう一度見てこようかな」


「しっかり見たなら大丈夫だよ、もっと自信を持って。ね?」


嫌味に聞こえたのかな。


そんなつもりじゃなかったのに。