なるべくなら私も部屋がいいんだけど……。


遅れてきた事で、私と小川君がペアになっているような気がした。


小川君は男子トイレを、私は生産棟と工業棟をつなぐ廊下に面した場所にある女子トイレを調べる事になり、トイレの中にいた。


工業棟の女子トイレは、使用頻度が少ないからか、他のトイレと比べるときれいなんだよね。


とは言っても、不気味な事に変わりはないんだけど。


洗面台の上と下、携帯電話の明かりで照らして調べる。


鏡に映った自分の姿に少し驚きながらも、背後に血塗れの亡霊が……なんて想像をしていたから、それほど怖くはなかった。


次はトイレの個室。


便器、ドアの裏、タンクの中と、調べる箇所は少ないものの、手間がかかる。


そう思って開けた最初のドアは……掃除用具入れだった。


デッキブラシにホウキ、ホースが置かれているくらいで、カラダはどこにも見当たらない。


残念……じゃあ隣の個室に……。


掃除用具入れから出て、ドアを閉めた私の視界の端。









暗くて見えるはずがないトイレの中で、私は何かがいるのを感じた。