遥の勢いに押されて、なぜかふたりで歩きだした高広と遥。


その後ろを私と留美子がついていくという、変わった光景。


これじゃあ、何だか私達が邪魔者に思えてしまうよ。


それなのに、高広はこの状況に疑問すら感じていないようだ。


遥が何を考えているのか、本当にわからない。


高広とばかり話をして、まるで私達がいないかのような態度だ。


なんて事のない日常会話だけど、それにご丁寧に答えている高広に、何だか腹が立つ。


「おー、怒ってるね明日香。高広ももうちょっと気がつけばいいのに。鈍感な奴はこれだから」


留美子にわかるくらい、顔に出ていたのかな。


でも、こんなのを見せつけられて怒るなと言うのが無理な話だ。


高広が誰と話してても構わないんだけど、嘘つきの遥だけは嫌だ。


ただでさえ嫌いなのに、ますます嫌いになっちゃうよ。


そんな私達の視線に気づいたのか、遥が後ろを歩く私達をチラッと見て、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。


「今の見た!? ムカつくわぁ……次に『カラダ探し』をする事があったら、絶対遥にやらせてやる!」