「中島君が? だとしたら、小川君の言う通りかもしれないわね。早く調べて、工業棟から離れた方がよさそう。ほら、ボサッと突っ立ってないで手伝いなさい」
フゥッと吐息を漏らして、私達にそう言った遥。
小川君と遥の意見は一致しているようだけど、私にはどういう事かわからない。
「え? え? なんで中島君がここに来るの? だってさ、私達が工業棟を調べてるって知ってるんだよ? 調べてる場所に来るなんて無駄じゃない」
小川君を見ても、言いにくそうにうつむいているだけで、話してくれそうにないし。
さっき私に言おうとした事と何か関係があるのかな。
「どこまで頭の中がおめでたいの? あなたは。私達がいると知ってるから、ここに来るんでしょ。『赤い人』を引き連れてね」
「え? え? なんでそうなるの? 中島君だよ? あの、誰にでも優しくて面倒見のいい……」
遥が言っている事が理解できなくて聞き直したけど、小川君が何も反論しないという事が、少し気になった。
そりゃあ、確かに中島君は私達を小バカにしたような事を言ってたよ?