中島君はひとりでカラダを見つけるって言ってるんだから、小川君はフリーなはず。
そう尋ねると、とまどった様子で小さくうなずいた。
そんな事を話していると、生徒玄関のドアが開いた。
「カラダ探し」が始まったのだ。
「じゃあ先に行ってるから、後で来なさいよ」
私にそう言い、遥は日菜子を連れて校舎の中に入っていった。
「小川君、ホールまで運ぶよ。そっちの脇を抱えて」
「あ、う、うん」
力の抜けた武司を立ち上がらせる私と小川君を、中島君は手伝いもせずに見ているだけ。
邪魔だなと思いながら、生徒玄関へと向かう私達。
「さてさて、探しに行くかな。こんなのに何日もかかるなんて、小川じゃあるまいし、考えられないよ」
ニヤニヤと、人をバカにしたような笑みを浮かべて、中島君が私達を追い越して校舎に入っていった。
「あ、あの……森崎さん。僕も工業棟に行っていいかな……」
中島君の姿が見えなくなり、生徒玄関に入った所で、小川君が小さな声を出した。