私の背後で、留美子が情けない声を上げたけど、誰もお弁当を持ってきていないんだから仕方がない。


外から戻った私でさえ、カバンを翔太の机の上に置きっぱなしにしてるんだから。


とにかく私がやる事は、美紀の「呪い」が解けた後、何も変わらなかった時の事を考えて、美子の「呪い」を解く方法を見つける事だ。


今すぐにではなく、近い未来に「呪い」を解く方法を。


そんなに都合のいい事ができるかはわからないけど、考えてみる価値はあるように思えた。


お弁当を食べて、「赤い人」についてもっと詳しく教えてもらおうと思い、やってきた旧校舎の職員室。


「カラダ探し」の経験のある八代先生ならと思ったのに、5限目と6限目は授業に出なければならないらしくて、放課後もレポートの締切日のために忙しいとの事で。


話を聞けずに、私は教室で放課後まで時間を潰した。


考える事は沢山あるけど、何をすればいいかわからなくて、結論なんて出ない。


放課後になり、下校している時も考えるのは「赤い人」の事。