「そこまでわかっていて、『呪い』を解こうとする愚かさに気づかない? 翔太が今、自分の口で言ったのよ?」


「だったら、美紀の『呪い』が解けた後に、美子の『呪い』を解くのはどうかな? ダメ?」


これ以上口論にならないように、私が出した答えはそれ。


何の意味もないかもしれない。


もしかするとそんな事はできないかもしれないけど、やれる事はやろうと思ったから。


「面白いくらいに単純な答えね。それこそどうやって『呪い』を解くって言うの? 美紀にでも頼むつもり?」


「だから、それを私達で考えるんだよ。翔太、どういう経緯で美紀の『呪い』を解くって事になったの? 教えてよ」


「ちょっと、まだ私は手伝うって言ってないんだけど」


遥が何を言おうが、翔太から話を聞く予定を変えるつもりはない。


その上で手伝わないと言うならば、私ひとりでも何とかする。


「あ、ああ……毎日が変わる中で、悲しい出来事が多くてさ……」


翔太の口から語られる、前回の「カラダ探し」の事。


美雪の妹が死に、武司の妹が死に、「赤い人」と話をした美雪が、世界を変えようとしている。