そう言って、段差に座っている日菜子の隣に腰を下ろした私に、見下ろすような視線を向ける遥。


「私達って何? 私は手伝わないからね。無駄だとわかってる事をしたくないの」


もう……話を聞きもしないで否定をしないでよ。


遥に言われたら、本当に無駄なんじゃないかと思ってしまうんだから。


でも……。












「無駄じゃない! 美雪が『赤い人』と話して教えてもらった方法なんだ! 俺は『呪い』が解けるって信じてる!」


翔太が、強い口調で遥に反論したのだ。


最近、落ち込んだ翔太しか見た事がなかったから驚いたけど。


「『赤い人』と話? その時点で怪しいって気づかないの? もしかすると、自分を縛っている美紀を消滅させて、自由になろうとしてるだけかもしれないって考えないの?」


遥の言葉は妙な説得力がある。


だけど、翔太は反論した。


「仮にそうだとしても、何もせずに逃げるよりはマシだ。可能性が低くても、『呪い』が解けて元の世界に戻る事を信じてる」


お互いに、意見が違いすぎて議論にもならない。