普通なら、入口の段差に腰かけて顔を真っ青にしている、この小川君みたいになるのに。


「まったく……自信を持つのは勝手だけど、ああいう身のほど知らずは突っ走って死ねばいいのよ。わかってる? 私達は予定通り、まずは工業棟を終わらせるのよ」


怒ってるよ……そう言えば遥は、中島君とは一緒に「カラダ探し」をしたくないって言ってたよね。


自信家だから、自分とは合わないとわかってたのかな。


「工業棟が終わったら生産棟だよね? 今日でどれだけカラダが見つかるんだろ……」


ハァッと大きな溜め息を吐いた日菜子。


遥と中島君の口論を聞いて、テンションが下がったのか、長い髪の毛を鼻と口の間に挟んで、つまらなさそうな表情。


「あーあ、武司さえ元気だったらなあ……」


私が言える立場じゃないのはわかっているけど、今は少しでも人手が欲しいから。


そう呟いて、私も溜め息を吐いた。



話が終わって、休み時間の間に私達は教室へと戻った。