「そんな簡単に見つかったら苦労しないわ。一度『カラダ探し』をやった事がある私と明日香でさえ、あっさり殺されたんだから」
ああ、遥ならひとつくらい見つけたのかなと思っていたけど、期待しすぎたか。
それでも、部屋はいくつか調べ終わっているだろうけど。
「なんだ、俺なら一日で全部カラダをそろえてみせるよ。簡単じゃないか。『赤い人』に見つからなければいいだけだ」
自信満々にそう言い放った中島君に、遥が反論する。
「あらあら、校舎に入る前に殺された人のセリフとは思えないわね。どの口がほざいてるの?」
「俺に足りなかったのは知識だ。それを得たから、キミ達は何もしなくても大丈夫だよ」
中島君は人差し指でこめかみをツンツンとつついて、ニヤリと笑って見せた。
1限目の終わりのチャイムが鳴り、俺に任せておけば大丈夫だと、中島君は校舎の中に入っていった。
あれだけ言われて、面白くないのは遥。
私も、中島君って思ったより自信家なんだなという印象を受けたけど、やる気になってるなら頼もしいよ。
「赤い人」に殺されたというのに、あんなに自信を持ってる人なんて見た事がなかったから。