ほらほら、私が言った通りだよ。


きっと、ふたりが離れて、花壇の縁にでも頭をぶつけたんだろう。


それでも、遥は納得していない様子だけど……今夜はもう大丈夫だよ。


武司はダメかもしれないけど、ふたりは校舎に入るはずだから。


「そう……まあいいわ。じゃあ私達が夜の校舎で何をしなければならないか教えてあげる。その代わり、死ぬ気でやりなさい」


ホームルームが始まるチャイムが鳴り、私と遥はふたりに「カラダ探し」でしなければならない事を話し始めた。


ふたりへの説明に1限目を丸々使い、何とか基本的な動きと注意点を教える事ができた。


カラダを全部、生徒玄関前ホールに置かれた棺桶に納めるまでは、何度も殺されて、同じ日を繰り返すという事は信じられないようだったけど。


それでも、日菜子も言っていたように、
「朝のニュースが昨日と同じだった」
と中島君。


信じられなくても、そういう「呪い」なのだ。


「なるほどね。それで、キミ達はカラダのひとつも見つけたのかい?」