結局、何かしようという事にはならず、ただ美雪を待つ事になってしまった。


私としては、小さな事でもいいから、何か美雪の手助けになれば……と思ったのにな。


でも、ふたりは決して美雪に責任を丸投げしているわけじゃない。


私の知らない絆ができて、美雪を信用しているのだろう。


そう思うしかなかった。


「あれ? そう言えば遥はどうしたんだろ。『カラダ探し』から解放された直後はいつも高広をデートに誘ってたのにね」


教室を出て、生徒玄関に向かっている途中で留美子が不思議そうに呟いた。


遥……嘘をついて私を陥れて、正直今でも嫌いだけど、私を棺桶に入れなければ解放されなかったわけだし、嘘も仕方ないとも思うかな。


「遥なら、もうとっくに帰っただろ? まあ、誘われても行くつもりはねぇけどな」


チラチラと私を見ながら、高広が強い口調で言った。


何か……私の事を意識してくれてるみたいで、逆に恥ずかしいな。


「はいはい、高広は頑張った頑張った。で? あんたらまだ付き合ってないわけ? お互いに好き同士なんだからさ」


フフンと鼻で笑い、留美子はいやらしい目つきで私達を見る。