「お、おーい! おーい! 袴田君!! 僕、頑張るから! 誰にも負けないように頑張るから!!」


号泣しながら手を激しく振る小川君に、武司が軽く手を上げる。


その声に、誰よりも早く反応したのは結子。


記憶はないはずなのに、涙を流して辺りを見回す。


自分がどうしてそんな行動を取っているのかも分かっていない、だけどそうせずにはいられないといった様子で。


「皆! こっちこそありがとう!! 皆がいたから『呪い』が解けたよ!! 忘れないから、絶対に忘れないからね!!」


感情が目から溢れ出て、ボロボロと頬を伝って流れ落ちた。


それを聞いたからか、皆はスーッと煙のように消えてしまったのだ。


「皆……本当にありがとう」


最後に会えた。


私が卒業するこの日に。


これから先、私が忘れる事はないだろう。


人の為に死んで、誰の記憶にも残らなかった友達の事を。


私が想い続けている限り、いつでも会えると思えるから。











これが、私と友達が生きた悲しい日々のお話。












ふたりの少女と、その「呪い」に翻弄された私達の高校生活でした。


…end