本当に困ったような表情で私をジッと見詰めている。
何がどうなってるの?
これってまるで、「カラダ探し」を終わらせて、棺桶の中に入った人を忘れるような……だとしたら、高広が忘れて、私がどうして忘れていないのだろう。
「誰も……覚えてないの!? 美雪も、留美子も、翔太も!?」
「翔太はお前……知らねぇはずがねぇだろ? やっぱマジな話だったか、この幽霊屋敷の跡地に来るとおかしくなるって話はよ」
翔太の事は覚えてる。
だったら、覚えてる人と覚えてない人の違いは何なの?
私が見た光の柱……それと共に天に昇る武司達を見た。
もしかして……死んだ人達が昇っていった道だったの?
考えていてもわからない。
「高広、学校に戻ろう」
翔太を覚えていると言うなら、そこにいるはずの翔太に会えば、少しは考えがまとまるかもしれない。