高広が声を上げて、私はどうなのだろうと動こうとしたけど……何かに身体を抑えられているように動かなかった。
その部分を引きはがそうと、動く手でつかもうとするけど、何もなくて手は空を切る。
「これじゃあ……何もできない!」
たとえ留美子達が上手くやっても、壷を破壊しなければ意味がない!
黒くて怖い人の言うように、私達はここで死んでしまって、美子の「呪い」は解けないままなの?
そんなの嫌だと強く思ったところで、私には何もできない。
壁に押しつけられて、足が床から離れて宙に浮く。
「あ……が……」
首が締まる……こんなのどうすればいいの!?
動けないんじゃ壷を壊せないよ!
首が締めつけられて、顔に血液が滞っているのがわかる。
チクチクとした刺激を感じて、もうダメなのかなと諦めそうになった私は……。
黒くて怖い人の周りを漂う、3つの人魂を見た。
「邪魔はさせないわ」
そう……言った人魂が、黒くて怖い人がそうだったように人の形を成して……。
「あ、あゆみ?」
苦しそうに呟いた高広の声で、3人の女の子が……そこに現れたのだ。