それが合図なのだろう。
それに、この中は時間の流れが違うから、上手く合わせるしかないのだ。
「そうか。だったら行こうぜ。武司の野郎、やけにやる気だったからな、負けてられねぇ」
そう言った高広の顔は、ケンカをする直前と同じような、真剣な表情に変わっていた。
「それにしても、まさか留美子がね。明日香が求めてた答えを全部集めてきたって感じだけど、いったいどうやってそんな事ができたのかしら?」
草をかき分けて進む私達の後ろ、車の中では聞けなかった疑問を私にぶつける遥。
そう言われてもね……いきなり倒れて、目が覚めた時には少し変わっていたから、何とも言えない。
もしかして、私の身体を貫いたあの光。
美紀の声も聞こえた。
あれが原因なのかな?
「わからないけどね。でも、留美子はどこかで何かをつかんだんだと思う。遥が言ってた、誰かの世界でその答えを見つけたんじゃないかな?」
私にはそれくらいしか思いつかないよ。
遥に言われて、それを信じきって。
だけど、今となっては本当にその世界が存在するんじゃないかと思えるよ。