「さっさと行くぞ! もう外は真っ暗なんだぜ? 寒いのに肝試しなんてしたくねぇけどな」
武司にうながされて、私達は生徒玄関に向かって走った。
車に乗り込んで、目的の場所へ行くために。
八代先生の車で、小野山邸の前まで送ってもらって、私達3人は皆と別れた。
途中で健司が乗り込んできたけど、学校にいなかったのにどういうわけかすべて知っているようだ。
いったい何があったというのか……私にはわからない。
これが終わったら、詳しく話を聞いてみてもいいかもしれない。
「さあ、行こうか。頼りにしてるよ高広。私達じゃあどうにもならないかもしれないから」
特に、あの地下室をふさいでいる棚は私の力では動かないから。
「まだ行かない方がいいんじゃない? 『赤い人』を浄化しなきゃならないって言ってたでしょ? その時を中で待つつもり?」
夜にこの廃屋かあ……。
確かにこの中で待つのは怖いかな。
「てか、気になったんだけどよ、どうやって浄化されたってわかるんだよ。合図とか決めたのか?」
あ……留美子の剣幕に圧されてそれを決めてない。
「で、でもさ、『赤い人』が壷に吸い込まれたら壊せって言ってたから、壷の前で待ってた方がいいと思うんだ」
怖いけど、その時が来るまで待つしかないよ。