留美子もイライラなら負けていない。


上手く伝えようと、いら立ちながら話してくれた。


「小野山家に地下室なんてあったかな? そこに壷がある事を知ってるくらいだから、留美子は知ってるんでしょ?」


私も行かなきゃならないの? と言いたそうな表情を浮かべて、結子が留美子に尋ねた。


今から何かしなきゃならないのが怖いんだろうな。


いつもの口調ではなくなっているよ。


それにしても地下室か……高広も知らなかったのだから、誰も知らないんだね。


留美子がどうして知っているのか、さっぱりわからないけど。


「えっと……玄関から入って、階段の横にある倉庫の一番奥なんだけどさ」


「それなら私と遥が地下室に行くよ。高広も来てくれたら安心だし。それに……あのお墓はちょっとね」


美子のあの悲しげな姿……できる事なら今は見たくない。


美雪を失って悲しいのに、さらに悲しみに襲われたら……。


それに、黒くて怖い人の事もある。


私が美紀に頼まれたんだ。


美紀の「呪い」が解けた後、美子の「呪い」も解かなければならないという私の予想は当たっていた。