そう思うと同時に、遥が答えてしまった。


留美子は「どうしてあんたが?」という顔をしてるけど、詳しい話をしている暇はないよね。


「そうだね。何かの役に立つかと思って、私と遥で調べてたんだ。また、巻き込まれちゃったから」


簡単に知っている理由を話して、留美子は何とか納得はしてくれた様子。


「あ、ああ、そうだね。美子の身体に返すと言うなら、まだ望みはあるかもしれない。よし、僕が車を出すから、今すぐそこに行こう!」


そう言うなり駆けだした八代先生。


車を出してくれるなら、移動に時間を取られる事はないかな。


「美子のお墓は、美子の家から離れてるよね!? だったら、戻ってる暇なんてないかな……ふた手に分かれた方がいいかも」


あれ? お墓に行って終わりなんじゃないの?


それで美子の「呪い」が解けるのなら、どうして戻るなんて言ってるのかな?


「留美子、何を知っているか……私達が何をしなきゃならないか言いなさい!」


遥もそれだけではわからないのか、イライラした様子で尋ねた。


「いい!? 美子の身体に心臓を返せば、美子の身体は浄化される! その後で、小野山家の地下にある壷を破壊するの! 『赤い人』が、壷に吸い込まれた後に! それですべてが終わるの!」